当店で豆の焙煎度合いを選べない理由

soysoysoyの大豆コーヒーは、コーヒーと同じように大型の直火式10kg焙煎機で焙煎しています。

焙煎は外気温度、湿度、豆の水分度、種類などで、細かく微調整する必要があり、非常に難度の高い作業と言えます。
コーヒーの焙煎では、下記の基本8段階で表現されます。

焙煎の基本8段階
1、ライトロースト(Light roast)
2、シナモンロースト(Cinnamon roast)
3、ミディアムロースト(Medium roast)
4、ハイロースト(High roast)
5、シティロースト(City roast)
6、フルシティロースト(Fullcity roast)
7、フレンチロースト(French roast)
8、イタリアンロースト(Italian roast)

ライトローストは浅く、イタリアンローストは深い焙煎になります。
アイスコーヒーやエスプレッソは苦味をぎゅっと出すために、フレンチやイタリアンにすることが多いです。
ドリップコーヒーの場合は、産地によって焙煎範囲が異なりますが、だいたいミディアムからフルシティの間で煎られることが多いです。
では大豆コーヒーではどうでしょう?
分かりやすく言うと、コーヒーよりも焙煎段階の一つ一つが狭い上、その豆の魅力を引き出せる焙煎ポイントの範囲が非常に狭いのが特徴です。

それは、コーヒー豆と比べて、非常に豆自体が繊細で柔らかく非常にデリケートな素材であることも一理あります。
ライトやシナモンローストだと同じみの“きな粉”の味わいです。
また、コーヒーよりもライトな口当たりなため、ミディアムでもお茶に近い優しすぎる味わいに。これだと、コクが出ません。
しかし、フレンチやイタリアンまでいくと、最早炭・・・
勘違いしてはいけないのですが、炭の苦味は旨味のある苦味とは異なります。

なので、ハイからフルシティの中で焙煎を調節していく訳です。
焙煎範囲が狭くなるとなれば、当然、その豆に適した(豆の魅力が一番出る)焙煎ポイントも狭くなります。
大豆コーヒーの焙煎ポイントは、まさに一瞬しかありません。
なので、その一瞬を見極める必要があります。

また、さらにその先に今度は、大豆の焙煎のもう一つ難しい『ハゼ』という壁が立ちはだかります。

ハゼとは、豆をある一定まで熱していくと、少しずつ大きくなりパチパチと音を上げて弾けはじけることを言います。
コーヒーでは、まめによって時間は違えども、明確にハゼるタイミングがあり、ポップコーンができるように、明快なパチパチ音が聞こえてきます。
コーヒーの焙煎では、ハゼのタイミングを一つの目安とし、その音を聞き分け、煎り止めのタイミングを図っていく訳ですが、大豆の場合だと同じように
いかないのです。

それは、何故か。
大豆がコーヒーの焙煎のようにハゼないからです・・・

大豆コーヒーの場合は、コーヒーほど豆は膨らみません。
そのため、ハゼたとしても音は小さく、ほぼほぼ聞こえません。
そうなると、焙煎士の目測と感に頼るしかない訳です。
つなり、大豆コーヒーは焙煎難度の高い作業が要求される焙煎になるという訳です。

soysoysoyでは、豆ごとに綿密に何度も焙煎テストを重ねながら最適な微調整しています。
つまり、『大豆コーヒーの焙煎度を選べない=魅力を最大限に引き出した最良の焙煎度で飲み提供したい』ということです。

焙煎士にとって、大豆コーヒーそのものがアートであり、作品です。
見事な焙煎ポイントで煎り止めした大豆コーヒーをぜひ、お楽しみください。